石鹸の始まりは、今から5,000年ほど前の紀元前2,800年ころになります。
古代ローマ時代、サポー(Sapo)という場所で、偶然に誕生しました。
いけにえの羊を焼いて溶け出た脂肪が、灰(アルカリ剤の役割)と混ざって
天然の石鹸が出来たのです。
意外と古くから、石鹸は人の生活に密着していたようですね。
日本には、16世紀ころ鉄砲の伝来と一緒にポルトガルから石鹸が伝わりました。
当時、石鹸はとても貴重品で、手にすることのできたのは将軍や大名など
限られた人たちだけでした。
本来の洗浄剤というより、下剤などの薬用に使われていたそうです。
そのころの日本では、植物灰の灰汁(あく)が主に使われていました。
他には、米のとぎ汁・米ぬか・人の尿を薄めたもの…など
さまざまの物を石鹸の代わりに使っていました。
日本で国産の石鹸が初めて売り出されたのは1873年(明治6年)。
堤磯右衛門が1本10銭で棒状の洗濯石鹸を販売しました。
明治の後半になり、石鹸の価格も下がってきました。
ようやく庶民も石鹸を使って、洗顔、入浴、洗濯などが出来るようになり
石鹸が浸透し、石鹸を使う生活が一般的になっていきました。